Koenigsegg Jesko

 

2019年3月のジュネーブ・モーターショーにおいて、

全く新しい”メガカー”Koenigsegg Jesko /ケーニグセグ ジェスコを発表しました。

ジェスコは究極のパフォーマンスを求める人々のために、アゲーラRSのエッセンスを継承し、サーキット性能に特化した、ケーニグセグのラインナップにおけるロードリーガルカーの頂点として開発されました。

  • 再設計されたV8 5.0 L ツインターボエンジンは、ガソリンで1280bhp、E85燃料を使用すれば1600bhpを発生する内燃機関マシンの最高峰です。
  • 革命的な新型9速ケーニグセグ・ライトスピード・トランスミッション(LST)
  • 1000kg以上のダウンフォースを実現する先進のエアロダイナミクス
  • アクティブ後輪ステアリング(4WS)
  • カーボンファイバー製モノコックシャシーを再設計(レッグルーム、ヘッドルーム、視認性を向上)

ジェスコは、ケーニグセグの創設者でありCEOでもあるクリスチャン・フォン・ケーニグセグの父である、ジェスコ・フォン・ケーニグセグの名前にちなんで命名されました。ジェスコ・フォン・ケーニグセグは、ケーニグセグ・オートモーティブの形成期に重要な存在でした。彼のビジネスに対する優れた洞察力は、初期の多くの困難を乗り越えるため不可欠なものだったのです。80歳を迎えたジェスコ・フォン・ケーニグセグと妻のブリタは、2019年のジュネーブ・モーターショーに出席し、彼の名を冠したクルマが、息子の手でワールドプレミアされるのを目の当たりにしました。

A New Heart

ケーニグセグが最初に取り組んだエンジン開発は、ギネス世界記録に認定されるほどの成功を収め、マクラーレンF1に代わってCC8Sが世界で最もパワフルな市販車用エンジンを搭載したマシンとなりました。
その次に登場したケーニグセグ製エンジンはCCRに搭載され、マクラーレンF1から市販車の世界最高速記録を奪い取るという偉業を残したのです。
2014年には、1360bhpを発生するV8ツインターボを搭載したOne:1を発表し、One:1は史上初のパワーウェイトレシオ1:1の市販車となり、1メガワットのパワーを持つOne:1は、世界初の“メガカー”となったのです。
『ケーニグセグの“レコードブレーカー”としての伝説は、今も進化し続けいています』

ケーニグセグの新しいメガカーであるジェスコは、アゲーラのエンジンを大幅に変更・新設計の1280bhp(E85燃料を使用した場合は1600bhp)のV8ツインターボエンジンを搭載しています。
この完全に新設計のエンジンの中核をなすのは、世界最軽量のV8エンジン用クランクシャフトです。その重量はわずか12.5kg、ケーニグセグの新しいフラットプレーン180度クランクシャフトにより、より高効率により多くのパワーを生み出しながら、V8エンジンとしてはかなり高回転なレブリミットである8500rpmを実現しています。
クランクシャフトは、スウェーデン南部にある小さな製造工場で、一枚のソリッドスチールビレットからケーニグセグ独自の設計でスライス加工され製造されています。
クランクシャフトは、フラットプレーンでの設計により、エンジンバンクをまたいで均等に燃焼させることで、より直感的なエンジンサウンドを実現しています。

ケーニグセグは、超軽量のコンロッドとピストンを新たに設計することで、フラットプレーンエンジン固有の問題である2次振動の増加を抑えることに成功しています。
コンロッドはケーニグセグのエンジン設計者であるトーマス・ヨハンソン博士によって設計されました。コンロッドはスウェーデンの高品質なスチールで作成され、ボルトを含めてわずか540gという軽さに仕上がっており、その重量は前世代のチタン製コンロッドと同程度ですが、強度面ではそれを大きく上回っています。同様にピストンの重量はわずか290gと軽量に作られており、また緻密に計算された頂面は、高い圧縮を維持しながらもピーク圧力を下げ、燃焼室の形状を整える役割を持ちます。ピストンの表面にはセラミックコーティング加工が施されており、エンジンが高回転時の燃焼室内のホットスポットやデトネーションを防止します。レヴリミット8500rpmのロングストロークエンジンにおいては、ピストンの摺動抵抗に回転抵抗削減が非常に重要になってくるため、こうした軽量化が重要とされるのです。

 

F1グレードの新技術を用いて鋳造した強度と軽量性を兼ね備えた究極のエンジンヘッドを、F1サプライヤーとしても知られるGrainge社とWorrall社が実現しました。エンジンのヘッド部分は、吸気側にタンブルジェネレーションバルブを取り入れるよう設計される、燃焼室内に発生するタンブル流によって燃焼速度を速め、より効率的な燃焼をもたらします。

エアインジェクション・システムは、2つの大型ターボチャージャーに直接接続された、カーボンファイバー製のタンクと小型の電動コンプレッサーで構成されています。 従来のターボチャージャーは、排気ガスによりタービンが回転しブーストが立ち上がるまでの時間差、つまりターボラグに悩まされることが多くありました。ターボチャージャーが大きくなれば、ターボラグも増えるため、多くのメーカーが対策としてツインターボを採用しています。このシステムは、特許出願中のターボハウジング内で効率的に20気圧の空気をターボに送り込み、2つの大型ターボを事前に回転させます。このユニークなソリューションは、排気ガスによりブースト圧が立ち上がる前に、送り込んだ空気によりインペラを回転させブースト圧をかけ、瞬時のレスポンスを実現することで、ターボの弱点となるラグやサージを排除するのです。この画期的なシステムは、エンジン始動時にジェスコの触媒コンバーターが、作動温度に達するまでの時間を短縮するためにも使用され、排出ガス削減対策に大きな効果をもたらすことにもなります。これは、システムや部品は複数の機能を持つという、ケーニグセグの哲学である効率という面でも適合しています。

ジェスコの新型V8ツインターボ・エンジンのシリンダーには、世界初となる燃焼室内圧センサーシステムが各シリンダーに搭載されています。これにより、ケーニグセグが自社で設計・生産するエンジンマネジメントシステムは、各気筒を最大限の効率で監視・作動させ、究極の柔軟性と制御を実現しています。このように設計の変更と技術的な改善を組み合わせた結果、エンジンのレブリミットが8500rpmまで上昇し、E85燃料を使用した場合では1600bhpまで出力が向上しました。通常のガソリンを使用した場合では出力1280bhpを発生し、その際のトルクは1500Nmとなります。

ジェスコは、これまでに製造された中で最もパワフルなエンジンを持つケーニグセグのモデルであるのと同時に、歴史上、ホモロゲーションされた市販車においても、最もパワフルなエンジン搭載車をであると私たちは信じています。

Light Speed Transmission (LST)

ジェスコは、レゲーラのために設計されたDirect Drive システムに続いて、ケーニグセグが100%自社で設計・製造する2番目のトランスミッションとなる、全く新しい9速マルチクラッチトランスミッションを搭載しています。

Koenigsegg Light Speed Transmission(LST)は、近代的なデュアルクラッチトランスミッション(DCT)が開発されて以降、最も大きな進化を遂げたトランスミッション機構です。LSTはケーニグセグが誇る最新のギアボックス・イノベーションであり、前進9速と7枚の湿式多板クラッチで構成され、超軽量でコンパクトなパッケージになっています。

LSTは、瞬時にどのギアにでもクラッチの同時開閉により変速が可能で、シームレスな加減速を可能にしています。もうひとつ革命的と言えるのが、LSTのサイズと重量です。現代の高性能DCTは120kgを超えるものがほとんどですが、LSTトランスミッションの重量は、フルードを含めてわずか90kgで、サイズも従来のケーニグセグ製トランスミッションと比べても半分の大きさです。この軽量小型化により重量物をセンターマスにより近づけることが可能となり、理想的な重量配分となることで、優れたハンドリングを実現しています。

UPOD – ULTIMATE POWER ON DEMAND

この技術のキーとなる部分は、トランスミッションのユニークなデザインとインテリジェントなUPOD(Ultimate Power On Demand)テクノロジーです。このUPODは、最高の加速のためにいかなる条件下でも最適なギアを瞬時に選択しエンゲージさせる画期的な機構です作動させるための機構です。

DCTはミリ秒単位のギアチェンジが可能ですが、事前に接続されたギアにしか変速できません。なぜならDCTは、ドライバーが選んだギアに基づいて次のギアを接続するように設計されているため、その事前に選択されたギアではなくほかのギア、例えば5速で走行中、事前に接続された6速または4速ではなく3速にシフトしたい場合、ドライバーは加速不足やシフトチェンジに時間をとられることを余儀なくされます。またDCTは、例えば7速で走行中、最大のパワーを得るために一気に4速までギアを落としたいとなった場合、DCTでは7速から6速、5速、4速と1速ずつでしか動作させられないため、4速を直接選択することはできません。ドライバーは6速と5速を通過しなければならず、このケースにおいてもドライバーは時間とパワーを無駄にすることになるのです。

LSTは、独自のマルチクラッチ設計とUPOD技術でこの問題を克服し、1速、2速からいきなり5速といった具合に、ドライバーが求める常に最大のパワーを得るために最適なギアを選択します。

UPODテクノロジーにより、どのギアへの変速するかに関わらず、最大パワーを発揮する最適なギアを選択し、LSTに指示します。 7速使用時、4速が最大加速に最適なギアであればUPODは、6速、5速へのシフトダウンを回避し、7速から4速へ直接シフトダウンすることができます。その結果、常に最適化されたパワーが瞬時に発揮されオーバーテイクやコーナー出口などで最大限の加速を可能にします。

ケーニグセグには、パフォーマンスの最適化を目的とした、革新的な独自のソリューションを開発してきた長い歴史があります。完璧に近いことは、決して完璧ではない−−この一切の妥協を排除した哲学は、Aircore Hollow Carbon Wheel, Koenigsegg Direct Drive、Triplex、RocketCat、Autoskinなど、まさに革新的と呼ぶべき独自のソリューションの開発に、非常に多くのインスピレーションを与えました。そして、LSTは、こうしたケーニグセグのイノベーションに対する長い歴史の中で見ても最新にして最も革新的なソリューションです。

DUAL-MODE SHIFT

LSTは、シングルインクリメント・ギアチェンジとUPODギアチェンジ(マルチジャンプ・ギアチェンジ)の2種類の変速方法が搭載されています。パドルまたはセンターシフターを最初のノッチまで押すとLSTは瞬時にギアを1速変速し、最初のノッチを超えて押すとLSTのインテリジェントUPODシステムが、最適なギアを瞬時に検出し、そのギアを作動させます。

FLEXIBLE SHIFT

ジェスコは、2つの異なる方法で独自のLSTのシフト機能を提供しています。現代のスポーツカーを所有するドライバーは、ステアリングホイールに取り付けられたパドル操作に慣れており、デュアルノッチのパドルを使ったギアシフトに違和感を覚えることもないでしょう。また多くのドライバーは、マニュアルのギア操作とシフトフィーリングがクルマとの親和性を高めてくれるのかを知っています、そのため同じデュアルノッチ操作を備えたショートストロークの「マニュアルギア」も搭載し、旧式のマニュアルトランスミッションにも似た選択肢も用意しています。

LIGHT | SPEED

Koenigsegg LSTは、マルチクラッチ・トランスミッションに革命をもたらしました。

それはLSTのサイズと重量にも当てはまります。

従来のDCTは確かに走行パフォーマンスを向上させましたが、その代償として、重量の増加という負の側面も背負うことになりました。現代の高性能DCTは120kgを超える重量があり、DCTを搭載したクルマは、常にマニュアル・トランスミッションのクルマよりも重いという現実があるのです。

軽量化はケーニグセグにとって最も重要な事項であり、LSTもその例外ではありません。

性能と機能性が大幅に向上しているにもかかわらず、9速の LSTトランスミッションの重量は、すべてのフルードを含めてわずか90kgの重さしかありません。さらに物理的なサイズは、ケーニグセグ前世代の7速CIMAトランスミッションの50%以下のサイズに収められています。この軽量小型化により重量物をセンターマスにより近づけることが可能となり、理想的な重量配分となることで、優れたハンドリングを実現しています。

ケーニグセグの新しいLSTは、エンジン出力向上とエアロダイナミクスの改善と相まって、“ロードフレンドリーなサーキットマシン”という独自のキャラクターを作り出すことに成功しました。これは、ケーニグセグの長き革新の伝統を継承し、“より完璧なクルマ”という理想像をさらに前進させる意味においても、非常に大きな役割を果たしています。

Suspension and Steering

ケーニグセグ・ジェスコは、“究極にロードフレンドリーなサーキットマシン”として設計・開発されました。クラストップレベルのシャシーを再設計し、革新的なソリューションを投入することで、街中での運転を容易にしながらもサーキットでは究極のパフォーマンスを発揮するという、ある種の矛盾を高次元で融合させることに成功したのです。

A STRONG CORE

全てのモデルのコアとなるのは、スウェーデンのエンゲルホルムの工場で行われている強固なカーボンファイバー製のモノコックです。ジェスコでは、これまでのモデルでの経験を活かし、来るべき時代に向けた全く新しい補強材に世界最強のファイバーであるダイニーマを業界で初めて使用した65,000Nm/度という業界最高基準のねじり剛性ももつモノコックを採用しました。このカーボンタブは従来のものより40mm長く、22mm高くなっており、足元のスペース、ヘッドルーム、キャビンの広さ、ラップアラウンド・ウインドスクリーンからのクリアな視界が実現されています。

近年ではアゲーラRSとレゲーラが、EUとアメリカの厳格なクラッシュテストをクリアしていることからも、それが非常に丈夫で安全性にも優れていると証明されています。

TRIPLEXTENDED

ケーニグセグは、2010年にアゲーラのためにTriplexサスペンション(トリプレックス・サスペンション)システムを開発しました。

これはリヤに追加された水平ダンパーで、スクワット(急激な加速時に車体のリヤが下がる傾向)に対処し、案定したトラクションを得ることを可能とした画期的なソリューションです。

フロントサスペンションにもTriplex装備しており、上記の機能をフロント側でも得ることが可能です。ジェスコのダウンフォースは1000kgを超えているため、前方のユニットは、車体のフロントを水平に保つのに役立ち、低速域でのグリップレベルとハンドリング性能を提供し、高いドラッグがかかる高速走行時においても常に最適な車高を維持することができます。

ACTIVE REAR STEERING

ケーニグセグは、高速走行時と低速走行時の反応性を高め、ドライバーに常に適正なロードインフォメーションを伝えることのできる、アクティブでフレキシブルなリヤステアリングシステムをジェスコに搭載しました。

車速、スロットル開度、ブレーキ状況、ステアリングとスリップアングルなどの入力を計算して、後輪を左右に最大3度まで回転させることで、素早いコーナリングと走行安定性の向上を両立させています。

低速域では、後輪をカウンターステアすることで、ジェスコはより速いターンインを実現し、効果的にクルマの旋回円を小さくさせます。

高速域では、後輪が前輪と一体となって旋回することで、ホイールベースが仮想的に長くなりサーキットではコーナリング性能が向上し、一般路では安定性が向上します。その結果、コーナリング性能の向上及び高速化、操作性の向上、ステアリングフィールの向上、グリップの向上をそれぞれ実現するのです。

ACTIVE ENGINE MOUNTS

ジェスコに採用されているエンジンマウントは、レゲーラから継続して採用されたもので、低速域でのリラックスした走りを実現するために設計されたアクティブエンジンマウントです。
一般的な制限速度で走行する際にはマウントはソフトな状態を保ち、エンジン音や振動を遮断します。一方でサーキットなどでの全開走行時には、一瞬にしてマウントがより強固に変化してエンジンレスポンスを最大限の状態で発揮させるのです。

NEW WHEEL DESIGNS

ジェスコでは、フロント、リヤともにアゲーラのホイールよりも大径化された、鍛造アルミニウムとカーボンファイバーホイールより選択可能です。どちらも可能な限り軽量に設計されていますが、カーボンホイールは、21インチ×12Jサイズのリヤで8.4kg、20インチ×9.5jのフロントホイールで6.7kgと、超軽量のオプションとなっています。

最適な強度と軽量化を維持しながらホイール径が拡大されたデザインは、バネ下重量を最小限に抑えることに役立ち、より速い加速、より反応の良いコーナリング、より大きなブレーキサイズと、より効果的なブレーキ冷却を可能にします。

CLASS-LEADING GRIP

ジェスコとジェスコ・アブソリュートには、ミシュラン製のパイロットスポーツカップ2タイヤが標準装備され、「パイロットスポーツカップ2 R」は、ドライ走行限定でのオプションとして設定されています。
ミシュラン最新の高性能タイヤ、パイロットスポーツカップ2 Rは、新世代のコンパウンドを採用することでサイドウォールの強度を高めるだけでなく新しく採用したトレッドパターンは標準のカップ2タイヤよりも、10%大きな接地面積を実現しています。

ミシュランが実施したサーキットテストによると、カップ2 R装着時のラップタイムは、カップ2を装着した車両がエンジン出力を10〜30%向上させタイムを短縮するケースと同様にタイムが向上することが立証されています。(注:車両の状態や特性により異なる)新しいミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2 Rは、ジェスコの新しいエンジン、ギアボックス、シャシー、エアロダイナミクスパッケージを完璧に補完するものです。

ケーニグセグはミシュランとの密接な協力体制を構築しており、優れたオンロード性能を提供しています。

TRIED AND TRUE, LEARNED FROM EXPERIENCE

これらの新技術は、20年以上にわたって車両性能を最先端の技術で鍛え上げた、ケーニグセグ既存のシャシーダイナミクスパッケージをより完璧に補完するものです。

ケーニグセグではハイパーカーのカテゴリーにおいて最長となる、フロントとリヤのWウィッシュボーンを使用しており、これは一般的なロードカーというよりもF1マシンに近いものです。

加えて軽量なハウジングに収められた大型ホイールベアリングが、応答性と安定性を比類のない領域で両立させています。

アジャスタブル・ダンパーは、スウェーデンのサスペンション・スペシャリストであるOhlins社が製造し、エンゲルホルムにあるケーニグセグの工場でカスタマイズされています。ドライバーはバンプとリバンプの双方の減衰力、スプリングレート、車高を任意に設定が可能で、トラクション&スタビリティコントロールプログラムを完璧にサポートし、究極とも言えるダイナミックなパフォーマンス、安全性、そしてコントロール性までを実現します。

Design and Aerodynamics

ジェスコはアゲーラの後継モデルであり、それはラインアップの中でのポジションだけではなく、その豊かなデザイン性についても受け継いでいます。

デザインディレクター、ヨアヒム・ノードウォールからのコメント:

アゲーラは、他を圧倒する明確な“ロードモンスター”としての性格も持っていますが、そのデザインにはシンプルさと謙虚さがあり、ケーニグセグと創業者のクリスチャン・フォン・ケーニグセグの性格も明確に反映されています。そして、このデザイン理念はジェスコにもしっかりと反映されています。ジェスコのデザインは謙虚さの中にも主張を兼ね備えていますが、そこに不必要な威圧感は与えられていないのです。

その姿は多くのケーニグセグのファンにとっては見慣れたものであり、デザインのインスパイアを受けたアゲーラへの敬意を表すものです。例えば、リヤライトの間にあるディップはアゲーラから継承されましたが、それをより現代的なアレンジで表現しています。ラップアラウンドウィンドスクリーンに関しても、ルーフラインがアゲーラよりも高くなったことで、戦闘機のような形状がより明確ものとなりました。ヘッドライトに関してもよりダイナミックなアプローチで、レゲーラの形状との親和性を持たせつつ、ジェスコ独自のアイデンティティを維持しています。

レゲーラから受け継いだものはそれだけではありません。ジェスコも同様に、リヤはエアフローを高めるためのオープンデザインを取り入れました。排気システムもレゲーラで使用された排熱口を彷彿させるものであり、前輪のエアダクトも同様です。アゲーラやレゲーラに比べて、ジェスコはホイール周りの形状が大きくなったことで、ボディサイズがより凝縮された印象になっています。アゲーラよりも車高が30mm高く、全長も40mm長いため、乗り降りがしやすく、キャビンも広々とした印象と手にしています。

ジェスコのデザインチームは“シュリンクラップ”と呼ばれるアプローチを採用し、メリハリのある角度とラインでデザイン上の隙間を排除することで、より一体感のあるケーニグセグらしいデザインをさらなる高みへと昇華させることに成功しました。

このクルマをデザインできたことを誇りに思っています。全く新しい価値観を纏ったクルマながら、そこにクラシックなケーニグセグの姿をしっかり投影できたことが、デザイナーとしての何よりの誇りです。

AERODYNAMICS

ジェスコは、ひとつの明確な目標を念頭に置いて設計されたエアロダイナミクスを特徴としています。

ジェスコという全く新しい形を創造するに当たり、デザインチームは一度設計図に戻って、そこから新しい機能に必要な形状のリヤウイング、フロントスプリッター、リヤディフューザーを設計しました。空気抵抗を最小限に抑えながらダウンフォースを最大化するための、アクティブ・エアロダイナミクスとエアフローのパッケージの中核を形成するものです。

戦闘機にインスパイアされた特徴的なラップアラウンドウィンドスクリーンは視認性を向上させるだけではなく、空力性能においても常に重要な役割を果たしてきました。このウインドウスクリーンはボディ上部で起きるアップウォッシュ軽減し、リヤウイングに良質なエアフローを供給します。

新しい形状のダブルプロファイルのリヤウイングは、最大のダウンフォース、そして理想的なコントロール性を向上させるために、可能な限りボディの後方に配置されています。

ケーニグセグがOne:1で初めて採用したデザインを踏襲し、ウイングはトップマウントされて、強大かつ効果的にダウンフォースを獲得するために、ウイング下面空気の乱れを最小限に抑えることが徹底されています。

ウイングの表面積を最大化し、ボディ後方で設置位置を最大限に確保するために、ウイングはブーメラン形状を採用しています。その結果、ボディがリヤセクションでカーブする形状を可能な限り忠実に反映させることに繋がりました。

ダブルプロファイル・デザインを採用したことで、ウイングで風の流れを失速させることなく、より高い位置でのアタック角を可能とし、これまでにない優れたダウンフォース性能を実現しているのです。

フロントスプリッターに関しても徹底した改良が施されました。それはケーニグセグ史上最長の奥行を誇り、トラックでのパフォーマンスを最大限に引き出すために、アクティブフラップを内蔵しています。フラップサイズを大きくすることで、大きいサイズとなったリヤウイングとフロントのバ空力ランスをとっています。この前後の空力バランスはオーバーステア/アンダーステアをコントロールする上で非常に重要えす。同時にアクティブなフロントフラップは、ノーズダイブを抑え、ブレーキング時にダウンフォースをかけないようにしてフロントが路面に擦れることを防ぐ役割も与えられています。

ジェスコのデザインプロセスは、ケーニグセグ独自の美しいスタイリングと、優れたエアロダイナミクスとを両立させるための作業の繰り返しでした。デザインされたボディの表面はエアフローテストを幾度も繰り返しながら再デザインされ、驚異的な空力性能を発揮しながらも、視覚的にも魅力的なデザインを生み出すことに成功したのです。

エアフロー効率が重要とされる理由は2つあります。1つ目は、ダウンフォースを軸にエンジン吸気、冷却などの必要なポイントに空気を導くため。2つ目は、空気を効率的に流して空気の乱れを防ぎ、空気抵抗を減らすためです。

ジェスコは、何よりエアフローを完全なものとすることを念頭に置いて設計されており、そのエアフローを利用してクルマをターマックに押し込むのと同時に、その空気を可能な限り滑らかに後方へと流すことに注力しました。リヤウイングの角度は可変式で、最大のダウンフォースと低ドラッグの設定が可能とされ、それらは走行状況に応じて自動的に制御されます。

こうした理念の具現化は、ジェスコの細かな部分にも見受けられます。例えば、フロントホイールアーチ上にあるルーバーは、リフトの原因となる低圧空気をタイヤウェルから排出し、ステアリングフィールやハンドリングに良い影響を及ぼします。リヤビューミラーもその一翼を担っており、20kgのダウンフォースを加え、空気の流れをクルマの後方に向けることに貢献するのです。

冷却については、フロント下から流れる空気は、サイドにあるインタークーラーに向けられており、それをさらに効果的に後方に流すことで、エンジンベイからの熱を逃がすように設計されています。

最小限のドラッグで最大のダウンフォースを得る事に注力した結果、ケーニグセグのバッジを付けたこれまでのいかなるモデルより、ジェスコは最も空力的にアグレッシブなモデルとなり、その驚異的なダウンフォースを獲得しているのです。

ジェスコは、最もアグレッシブな設定では、250km/hの走行時で800kgのダウンフォースを発揮します。275km/hでは1000kgまで上昇し、最終的には1400kgのダウンフォース量に到達します。これらの数値は、同速度のケーニグセグOne:1と比較して30%、アゲーラRSと比較して40%も増加しています。

ケーニグセグのエアロダイナミクス・チームは、デザイン・チームとの密接な協力体制により、ケーニグセグ独自の革新的なエアロダイナミクスの理念を、その流れるように美しいボディラインに落とし込みながら、これまでにない直進性と横方向のグリップを実現し、ジェスコを100%ケーニグセグであり、そして100%驚異的なトラックパフォーマンスに焦点を当てた唯一無二のマシンへと仕立て上げたのです。

Interior and Equipment

ジェスコは、サーキット走行においての卓越したパフォーマンスを手に入れるのと同時に、グランドツーリングにふさわしい利便性までをも備えています。

手元にあるリモコンのボタンを押すだけで、レゲーラで初めて採用された先進的なボディオープニングシスム、“Autoskin”が作動します。当初は空力システムを操作するために設計され、その後小型化された油圧装置が、今ではクルマのドアやボンネットを開くために作動し、真のタッチレスを可能にしています。

ケーニグセグの特徴であるsynchro-helix doorのヒンジもデザインを一新しました。まず外側に迫り出した後に上方に開くことで、乗り降りが楽に行えます。Autoskinには、障害物を検知した際に自動でドアが止まる衝突防止センサーも搭載されています。

インテリアは、レザー、アルカンターラ、カーボンファイバー、アルミニウム、ガラスなどの素材が使用されています。

Jeskoの電動シートは、レザーまたはアルカンターラから好みの色が選択可能です。非常に軽量なカーボンファイバー製のシートシェルを使用したバケットシートは快適な座り心地を実現しています。

SMARTWHEEL ADDED TO KOENIGSEGG’S SMART ARCHITECTURE

ケーニグセグは、新しいSmartCenterとSmartWheelの双方に組み込まれたタッチスクリーン技術を使用した、新機軸のドライバーコントロールを開発しました。

SmartWheelは、ジェスコのステアリングホイールに埋め込まれた2つの小さなタッチスクリーンで、タッチやスワイプだけで一連の機能にアクセスが可能です。

スクリーンのデフォルト設定では、オーディオコントロール、電話コントロール、車高制御、クルーズコントロールなどの機能が利用できます。SmartWheelのスクリーンには触覚フィードバックが搭載されており、直感的に操作できるようになっています。

ジェスコは、レースカーにインスパイアされた、非常にコンパクトなSmartClusterインストルメントスクリーンが採用され、ステアリングホイールの真後ろに取り付けられてステアリングホイールの回転に合わせて回転します。

新しい5インチのSmartClusterは、108mm×64.8mmと非常にコンパクトですが、ドライバーが必要とするすべての情報をすっきりとした機能的なレイアウトで表示します。

 

SSmartClusterには、タコメーター、スピードメーター、馬力、ブースト圧、ギア、ドライバー警告ランプなどの重要な情報が円形の中央に配置されています。そして外側には、燃料レベル、燃圧、油圧、温度のゲージが配置されています。

Smartclusterの画面はステアリングホイールと連動して物理的に回転しますが、中央のゾーンとその中の重要な情報は常に水平に保たれます。これにより、情報が常に読みやすく表示されるのです。画面がステアリングホイールと一緒に回転することで、ステアリングホイールを回してもスポークで画面が見えなくなることを防いでいます。

9インチのSmartCenterタッチスクリーンは、さまざまなインフォテイメントやトラクションコントロール、ESP(横滑り防止装置)、タイヤ空気圧など、さまざまな車両制御システムのコントロールとモニタリング画面のインターフェースとしても機能します。またドライバーと同乗者はSmartCenterを使用して、オートエアコン、オーディオ、ナビゲーションシステムを操作することが可能となります。ドライバーが操作方法を知りたい場合は、システムにインストールされているオーナーズマニュアルの電子版を参照することができます。

SmartCluster、SmartCenter、SmartWheelを駆動するソフトウェアは、Qt Professional Servicesのサポートを受け、ケーニグセグが自社開発しています。開発に使用したアプリケーション開発フレームワークは、Qt CompanyのQtを使用しています。これらのすべてのシステムは、ケーニグセグ・クラウドを介してワイヤレスで更新することができます。

ANALOGUE-G

SmartCluster のスクリーンがステアリングホイールに直接配置されたことで、メインダッシュボード上の空いたスペースに設置できるアナログGフォースメーターを開発しました。

手作りの高精度アナログGフォースメーターは、クロノグラフをイメージした美しいベゼルに収められており、運転席側と助手席側のダッシュボード上部に設置されています。グラデーションカラースケールは、車体とベゼルの両方の角度を考慮して調整され、振り子と針は、車体の挙動を魅力的に視覚化するようにデザインされています。

それは現代的でありながら、どこか美しく懐かしい雰囲気を表現しています。

FUNCTIONAL BEAUTY

ケーニグセグのインテリアは、常にテクノロジーとラグジュアリーが融合しています。

伝統的な職人技、豊富な素材と現在的な利便性が融合することでドライバーに美しい世界観を提供します。キャビンはモダンでエレガントでありながらも、いつでも簡単にリラックスしたクルージングからハイパフォーマンスなスポーツドライビングへと切り替えることができます。

ジェスコのインテリアは、新しく強固なカーボンファイバー製大型モノコックの恩恵を受けており、拡大したレッグルームとヘッドルームの広さに加え、後方視界、さらには大きなカーブを描いたフロントガラスの効果で、より一層の開放感を実現しています。

軽量化されたルーフを取り外せば、この自由な解放感はさらに高まり、ジェスコは洗練されたスポーティなクーペから日差しを目一杯浴びることのできるロードスターへと生まれ変わることさえできるのです。

SPECIFICATIONS

Engine
  • Koenigsegg twin turbo aluminum 5,0L V8,
  • Carbon fiber intake manifold with optimized intake tracts
  • Sequential, multipoint fuel injection
  • 4 valves per cylinder, flat-plane crankshaft, double overhead camshafts, dry sump lubrication
  • Compression: 8.6:1
  • Bore: 92 mm
  • Stroke: 95.25 mm
  • Individual cylinder pressure sensors and back pressure sensors
  • Closed loop individual combustion and lambda control
  • Tig-welded ceramic coated 0.8 mm wall thickness Inconel exhaust system manifold with merge collector
  • Twin ceramic ball bearing turbo chargers with Koenigsegg response system.
  • 1.7 bar boost pressure (2.2 bar with E85 – in some markets)
  • Total engine weight: 189 kg

ENGINE MANAGEMENT

  • Koenigsegg Engine Control Module V
  • Flex fuel capability (optional)

OUTPUT

  • Gasoline: 955 kW (1280 hp) at 7800 rpm, redline at 8500 rpm.
  • E85 (in some markets): 1195 kW (1600 hp)
  • Torque: 1000 Nm from 2700 to 6170 rpm
  • Max torque: 1500 Nm at 5100 rpm

All data is provisional

Transmission
  • Koenigsegg 9-speed Light Speed Transmission (LST) with 7 wet clutches
  • Koenigsegg Electronic Differential (KED)
  • Koenigsegg Gearbox Control Module (KGCM) with Ultimate Power on Demand (UPOD)
Aerodynamics
  • Dynamic, active and top-mounted twin-step rear wing
  • Enlarged front splitter with active and independent front underbody aero inlets
  • Total down force: @ 250km/h – 800 kg, @ 275km/h – 1000 kg, Maximum – 1400 kg

All data is provisional

Chassis
  • Carbon fiber monocoque with aluminium honeycomb and integrated fuel tanks
  • Monocoque torsional rigidity: 65,000 Nm/degree

BODY

  • Two-door, two seater with removable hardtop
  • Body made from pre-impregnated carbon fiber/kevlar and lightweight sandwich reinforcements

All data is provisional

Handling

STEERING

  • Rack and pinion power-assisted steering
  • Active rear wheel steering
  • 2.9 turns lock-to-lock
  • Turning circle: 11 metres

SUSPENSION

  • Double wishbones, carbon fiber rear upper wishbones, electronically adjustable gas-hydraulic shock absorbers and pushrod operated
  • Triplex dampers front and rear
  • Electronically adjustable ride height (varies by speed and performance mode)

ELECTRONIC STABILITY CONTROL

  • Koenigsegg Electronic Stability Control (KES)
  • 3 settings: Wet – Normal – Track

TRACTION CONTROL

  • 3 settings Wet – Normal – Track

All data is provisional

Wheels
  • Lightweight forged aluminium wheels with centre locking
  • Optional Koenigsegg Aircore™ super light carbon fibre wheels with centre locking
  • Front: 20” x 9.5”
  • Rear: 21” x 12”

TIRES

  • Standard: Michelin Pilot Sport Cup2
  • Option: Michelin Pilot Sport Cup 2 R
  • Front: 265/35 – 20
  • Rear: 325/30 – 21

All data is provisional

Dimensions
  • Total length: 4610mm
  • Total width: 2030mm
  • Total height: 1210mm
  • Ride Height: 70-100mm front, 75-100mm rear
  • Front lifting system activated: +50mm
  • Wheelbase: 2700mm
  • Fuel capacity: 72 litres
  • Luggage compartments: 100 l front, 50 l rear
  • Dry weight: 1320kg
  • Curb weight: 1420kg

All data is provisional

Equipment

SAFETY

  • 4 smart airbags
  • Power assisted brakes, carbon ceramic brakes with Sport ABS
  • Koenigsegg Electronic Stability (KES)
  • Digital warning and info system, tire pressure monitoring system
  • Koenigsegg safety cell with integrated crumple zones
  • Reversing camera.

COMFORT AND CONVENIENCE

  • Detachable hardtop with lightweight roof, power windows, adjustable pedals and steering column
  • Front/rear hydraulic lifting system
  • Leather or alcantara interior with custom contrast stitching, carbon sport bucket seats with memory foam
  • Power steering, active rear wheel steering
  • Digital audio system, USB connection, inductive phone charging
  • Climate control
  • Digital owners manual on-board
  • G sensor
  • Alarm, Koenigsegg shield alarm fob
  • Roof storage bag, car cover, Koenigsegg car charger
  • Autoskin electro-hydraulic operation of hoods and doors
  • ‘Bird’s eye’ view parking assistance, front and rear parking sensors, proximity protection system for automated door openings.

JESKO VIDEO GALLERY

THE LAUNCH OF THE KOENIGSEGG JESKO

TOPGEAR – WHAT IT TAKES TO ACHIEVE EXTREME SPEED

SHMEE150 – A FIRST LOOK INTO THE JESKO

MR JWW – INDEPTH ABOUT THE JESKO WITH CHRISTIAN VON KOENIGSEGG